第125章

萩森佑喜の甲は、細いピンヒールに踏みつけられ、どす黒い跡を残していた。肉がへこみ、見ているだけで骨まで痛みが走るようだ。

だが、彼は指先一つ震わせなかった。

片膝をついた姿勢で従順に待ち、葵が足を引いてから、足元に落ちた黒と金の万年筆をゆっくりと拾い上げた。

「水原さん、ペンが汚れました」

しゃがれた声で言い、ポケットから清潔なハンカチを取り出すと、ペンの軸を念入りに拭き上げた。

葵は彼を見下ろした。骨の髄まで染み込んだ重度の潔癖症は、顔を変えたところで隠しきれるものではない。

「汚れたら捨てるの。萩森さん、私のそばにいたいのなら、私のルールを覚えなさい」

葵は身を翻し、ゆった...

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